両親と三人の姉に囲まれ、幸福な幼年時代を過ごした主人公(名前変更可)。
決して裕福ではないけれど、笑顔の絶えない賑やかな芦名一家……
しかし突然、芦名家の幸せな日々は暗転する。
父母が交通事故でこの世を去ってしまったのだ。
子供たちはそれぞれ別の里親に引き取られることになり、別れ別れとなってしまう。
『いつかまた必ず集まって、家族で一緒に暮らそう』という約束を、小さな胸に抱きながら……
そして十数年後。
成人した主人公は、町工場で働きながら姉たちの消息を追っていた。
そんな彼の前に、遺産管財人を名乗る弁護士が現れ
「あなたには祖父にあたる方がおられます」と告げる。
祖父の芦名葦盛は既に亡くなっており、管財人は遺産の相続権を持つ主人公を探していたというのだ。
驚く彼に、管財人は他の相続者……すなわち三人の姉の所在も伝える。
祖父の存在に驚きながらも、それ以上に姉たちの居場所を知った主人公は狂喜して、すぐさま会いに行く。
しかし、十数年の歳月は姉たちを大きく変えていた。
冷たく突き放す長女・真冬。
距離を置きたがる次女・雪子。
そして、言葉すらかけてくれない三女・冰……
やがて遺産分配のため、祖父の屋敷に姉弟が集められた。
祖父の右腕だったという老人・金上は、意外な遺言の内容を伝える。
『遺産を相続できるのは、姉一人、弟一人のみ!』
だというのだ。
さらに、
『相続権を得られる姉一人は、弟によって選ばれねばならない……!』
という条件もつけられていたのだった。
困惑する主人公に、管財人たちは一ヶ月の猶予を与える。
その間、姉弟四人で同居し、姉一人を選べというのだ。
こうして、それぞれの思惑を胸に、奇妙な家族生活が始まった。
弟の気を引く一方、他の姉妹を排除し、遺産を独占しようとする姉たち。
彼女たちの思惑に翻弄されつつも、失われた家族の絆を取り戻すべく奮闘する主人公。
果たして一ヶ月後、遺産の、そして家族の行方はどうなるのだろうか……?
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